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2007/05/25
小中学校の特別支援教育に大切な「支援的な環境」の整備・その2

執筆者: musashi (5:50 pm)
小中学校の中で特別支援教育を進めるために、まず取り組むべきこととして、「支援的な(学校)環境」の整備について書いてきました。その続きです。

支援的な(学校)環境には、大きく2つの側面があります。
1つは、学びやすい生活環境を工夫すること。もう1つは、学校全体、あるいは学部や学年・学級全体で取り組める配慮を尽くすことです。
「学びやすい生活環境を工夫すること」については、すでに書きました。

「学校全体、あるいは学部や学年・学級全体で取り組める配慮」には、以下のようなことがあるでしょう。10項目についてまとめました。
1)変化を嫌う
5W1Hをはっきりさせて、予測可能な環境にする。スケジュールや手順を明示して、一貫したものにする。期待されていること、取り組むべき課題が分かるようにする。変更は最小限に、段階を追って行う。どんなにささいな変更でも、前もって十分に準備させておく。初めての人や場所、活動、未知の物事に対する恐怖心を前もって和らげておく。

2)対人的関わりが苦手
あいさつ、注意の引き方、相手への応じ方などを教えて、いろいろな場面で練習する。普通なら当たり前のルールでも、教えられてはじめて、判断力が向上する。困らせたり、無遠慮だったら、どこがよくないのかを説明し、納得させる。どういう行動がよいのかを説明し、その行動を繰り返し練習する。人と関わるように促し、繰り返し励ます。自分の世界に入り、孤立するのを制限する。

3)限局的な興味
その場に関係のない関心事について、しつこく話したり質問したりすることを許さない 。できる時間を別に設ける。例えば、休憩時間。限局的な興味以外で、少しでも望ましい行動が見られたら、選択的に褒める。自由にできることと、ルールに従わねばならないこととが、はっきりとわかるようにする。従わなければ、どうなるかが確実に予測できるようにする。

4)集中力の不足
物の配置や区画等を工夫して、注意が逸れる物が目につかないようにし、行う場所をはっきり示す。注意が逸れないように、はっきりと指示し、繰り返し質問・促す、指さしや身ぶりなどで示す。課題は小分けにして与え、たびたびチェックし、フィードバックをかけ、再方向付けをする。時間を決め、時間内に課題を終えたことを褒める。ルールに従えば、褒められることを教える。

5)落ち着かないで動き回る
瞬間に働きかける。すばやく与えるほど効果的。まず望ましい行動を褒める。ちょっとした望ましい行動でも見逃さない。時間と予定とエネルギーが許す限り、頻繁にフィードバックをかける。より強力なごほうびを探す、ことば以外で。望ましくない行動でもすべてを罰しない。とくに問題となるいくつかのことだけに限定する。問題を起こす場面に対して、あらかじめ対応法を練る。

6)課題が分からない
視覚的な説明を補足し、課題をやさしく簡単にする。興味のない課題は意欲・関心を示さないだけでなく、苦痛に感じるので、確かな見通しが立てられるようにする。課題は、必ずやり遂げられるように構成する。課題は、満足感が得られるものにし、不安を起こしてはならない。聞いたことをオウム返しすることがあるので、理解していると思わないこと。余分な待ち時間を作らない。

7)聞くことが苦手
聞くことはすべての基本。騒がしい、気が散る場所を避けて話す。注意を引いてから話す。例えば、名前を呼んで、子どもに近づき、視線を合わせる。順を追って1つ1つ整理して話す。話しのポイントは、絵や文字でメモに書いて示す。実物や具体的な物、写真を提示しながら話す。5W1Hを確かめながら話す。物・道具、場所に印をつけ、見て分かるように示す。どのくらいするかをカウントできる形で示す。相手・周りの人の思っていること、考えていることも話す。

8)話すことが苦手
こちらが十分に聞くという姿勢を示す。子ども自身に対して、どんな話の内容でも、こちらが興味・関心をもつ。答えやすい質問をして聞き出す。はい/いいえ、選択肢から選ぶ、5W1Hを答える、文の一部を答える。関連する質問をいくつかして聞き出す。子どもが話したことをメモに取り、一文ずつの文にする。やりとりに、絵や写真、物を使う。

9)心が傷つきやすい
子どもの理解とがまんにあった課題や時間を確保する。感情を爆発させない対策を考えて、練習する。共感的で寛容な態度で、冷静に事実に即して接し、感情的な言い方をしない。自分自身の感情に気づくことも苦手なので、「悲しい」「落ち込む」とかを分かると期待しない。耐性の低下、疲労、泣き叫び、抑うつ徴候に注意し、本人が「大丈夫」と言っても、安易に認めない。子どもの状態を理解するサポーター役を別におく。

10)協調運動が下手
粗大運動の問題がある場合は、リトミックやムーブメント等の身体運動プログラムを提供する。競技スポーツ、運動会に無理な参加をさせない。書字、箸の使用等の微細運動で、個別指導が必要な場合がある。文字の理解や構成の指導を優先する。ワープロ等の機器の利用を考える。

長くなりました。以上。
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